黄砂とは・・・
黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象です。
風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の農業生産や生活環境にしばしば重大な被害を与えるばかりでなく、大気中に浮遊し、黄砂粒子を核とした雲の発生・降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしています。
また、海洋へも降下して、海洋表層のプランクトンへのミネラル分の供給を通して海洋の生態系にも大きな影響を与えていると考えられていますが、その量についてはまだ明確にはなっていません。
黄砂現象は従来、自然現象であると理解されてきましたが、近年ではその頻度と被害が甚大化しており、急速に広がりつつある過放牧や農地転換による土地の劣化等との関連性も指摘されています。
そのため、黄砂は単なる自然現象から、森林減少、土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による側面も持った環境問題として認識が高まっています。
【黄砂による健康被害】
黄砂が引き起こす健康被害は、主に次のようなものがあります
呼吸器系の問題
黄砂に含まれる微小な粒子は、呼吸器に侵入して気道や肺に影響を及ぼす可能性があります。
これにより、咳、のどの痛み、呼吸困難、喘鳴などの症状が引き起こされることがあります。
特に、既に呼吸器疾患を抱えている人や高齢者、子どもは影響を受けやすいです。
アレルギー反応
黄砂に含まれる微粒子や微生物がアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、目の充血などの症状が現れることがあります。
心血管系の問題
黄砂が大気中に漂うと、大気中の有害物質の濃度が上昇し、心血管系の疾患の発症リスクが増加する可能性があります。
特に心臓病や高血圧を持つ人々は、注意が必要です。
精神的影響
黄砂の影響により、不快感や不安感が増大し、精神的なストレスが引き起こされることがあります。
これらの健康被害を最小限に抑えるためには、黄砂が濃い日には屋外活動を避け、マスクを着用して微粒子の吸引を防ぐなど、適切な対策を講じることが重要です。
また、既存の健康問題を抱えている人々は、医師と相談して適切な対処法を見つけることが重要です。
【対策方法】・・・